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by missiontomars

『麒麟の翼観てきました。』の巻

 映画「麒麟の翼」観てきました。いや~、良かったです。 ここ最近で観た映画の中では、
1番良かったんじゃないかな。

 なお、僕はドラマ新参者は未見ですし、原作の方も読んで ません。
読書は大好きだけど、ノンフィクションしか読まない 人間なので、東野圭吾の事も
殆ど知りません。 そう言った人間の感想であると言う事は念頭に置いた上で お読み
頂ければと思います。



(直接的なネタバレはしないように配慮して書きましたが、 レビューと言う性質上、
間接的なものを含めれば、全くゼロ ではありません。これから、ご覧になる方は
ご注意下さい。読みたい方だけ、「続きを読む。」をクリックして下さい。)






 予告編を見ると、謎解き過程を楽しむミステリー物との印象を 受けますが、実際には、
人間ドラマとしての側面が強いです。

 ミステリー作品として、点が線になる過程と言うか、バラバラ だったピースが組み合わ
さっていく過程と言うか、そこに期待を 置いて観すぎると、ちょっと物足りなく感じる部分は
あるかもしれません。

 ただ、僕自身も、そう言う作品だと思って、それを期待して、 見始めたのですが、
観ている内にごくごく自然な形で、 人間ドラマとして楽しむ方向に誘導されていきました。

 ちょっと良く分からんのは、田中麗奈の演じていた看護師が 何度も出てきて、さも重要な
役どころのような扱いなんだけど、 その割には、ストーリー展開上、いなくてもほぼ差し支え
ないと 言う点です。

 原作では、もっと重要な役どころを与えられてるんでしょうか?
それとも、ドラマでのレギュラーキャラを邪険に扱う訳にも いかんという配慮なんでしょうか?
まあ、大した問題ではないんですが。

 『人は死ぬ間際になって、意地やプライドを捨て、本当の 自分を出す事が出来る。
その思いを受け取るのは、生きている者の 義務です。』

彼女のこの言葉は、なかなか良かったですし、結果として、 この言葉は、映画のラストを
象徴するような台詞になっているので、 そこが田中麗奈の役どころと言う事なのでしょう。

 重箱の隅をつつく様な事を言うと、一つだけ残念だったのは、 真相が全て明らかに
なった後で、自らの思いを吐露する青柳悠人の 言葉の中に、「酷い話だけど、吉永の事も
忘れかけてた。」と 言う一節がある事です。
 これはちょっと不自然に感じました。

よく、ひき逃げ犯に対して「人を命を奪っておきながら、ヘラヘラと いつも通り生活している
犯人が許せない。」と非難する声を、聞き ますが、誤解を恐れず言えば、これはちょっと違う。

 許せないのは、もちろんその通りですが、普通の神経をした人間 ならば、ひき逃げなど
したら、とてもヘラヘラと普段通りの生活 なんて出来るもんじゃない。

「とんでもない事をしてしまった。。いつバレるんだろうか。。」
とビクビクとしながら、生活しているハズなのです。
 そして、その心境は、時と共に忘れてしまう程、軟なものでは ないはずです。

 あんな事件を起こしてしまった青柳についても、それは同じ はずで、「忘れかけてた。」と
言うのは不自然だと思うのです。
 青柳が、他人の人生を台無しにしてしても、何とも感じない様な 人物であるならば、
話は別です。  しかし、そうでない事は、ストーリー上明白です。

 と言う訳で、星5つ中、満点の5つを付けたいところですが、 そこの部分だけ、ちょっとだけ
さしい引いて、星4個半と言う事で。

 加賀恭一郎が、劇団ひとり演じる先生に向って最後に話す諭す言葉も印象に、なかなか
重みがあり、印象に残ります。

 お勧めです。是非ご覧になってみて下さい。 
by missiontomars | 2012-01-31 21:44 | 感想・レビュー関連