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by missiontomars

『三谷幸喜脚本演出・マトリョーシカレビュー』の巻

最近、劇場で生で観劇出来ていない三谷幸喜脚本・演出の作品をDVDで、
少しずつチェックしているのですが、今回は『マトリョーシカ』を見ました。

 もう10年以上前の作品になるのですが、いや~、これ非常に面白かった
です。これまで見てきた三谷作品の中でもトップレベルの作品かも。

所謂、劇中劇と言うか、入れ子構造になっている作品です。

 『とある有名劇団の代表作の主演を長きに渡って務めてきたベテラン俳優
(松本幸四郎)。
彼は、次からその役を演じる事が有力である若手俳優(市川染五郎)を
招きます。その若手俳優が、役を演じるのに相応しいかどうか、
オーディションを行って見極めようと言うわけです。
 若手俳優は、恐縮しながらも、彼の指示に従って奮闘します。
ところが、オーディションなどと言うのは、実は全くの大嘘。ベテラン俳優は、
本当は役を譲る気など全くなく、若手俳優に役を辞退するように迫り、
さもなくばこの場で殺すと脅します。
 しかも、オーデョションの中で指示されて、若手俳優が取っていた行動は、
実はベテラン俳優のアリバイ工作の一環で、若手俳優が自殺したかのように
見えるよう仕組まれていたのです。 
 とうとう追い詰められた若手俳優は、彼に促されるままに飛び降り自殺を
してしまう・・・。』




 と言う、三谷作品にしては、かなりシリアスな展開のストーリーが冒頭から
展開されます。


 がしかし、実はこれ自体が劇中劇で、このストーリーは、
今度から若手俳優が演じることになるであろう演劇の筋書きだったのです。

 ベテラン俳優は、若手俳優がその役を演じるのに相応しいかどうかを
見極めるために、オーデョションを行っていたと言う訳です。

  観客は、飛び降り自殺をしたはずの若手俳優が、「どうでしたか?」と
言う感じで舞台後方から再登場したところで、初めて、先ほどまでの
シリアスな展開が、実は劇中劇であった事を知る事になります。

 言わば、ここまでが物語としての第一部。

 第二部以降、物語は一気にコメディーとして展開し始めます。
第一部は大いなる振りになっている訳です。

 さて、当然、観客は第二部から、(舞台上における)現実の物語が
始まると思って、芝居を見る訳ですが、ところが、これがまたも大いなる
振りになっていている。

 本作のタイトルがマトリョーシカである事の意味が、ここに隠されて
います。

分かってみると、実に洒落たタイトルです。

「どこまでが劇中劇で、どこまでが真実なのか?」を行ったりきたり
しながら繰り返す、なかなか複雑な展開にも関わらず、その一方で、
ストーリーとしては単純で分かりやすくまとめられています。

 場面展開が一切ないと言う三谷演劇の特徴も色濃く表れています。

 また、ハチャメチャな展開に見えて、終わってみると、実は起承転結が
しっかりしてるのが三谷コメディの基本だと僕は思っていますが、
(バッドニュースグッドタイミング、ラヂオの時間など)
本作に関しては、起・承・転・結が、よりくっきり区切られている印象です。

 まあ、百聞は一見に如かず。DVDを購入するだけの価値は十分に
あるだけの作品だと思うので、興味のある方は是非ご覧になって頂きたい
ところです。  

 
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by missiontomars | 2012-11-06 11:06 | 感想・レビュー関連