人気ブログランキング | 話題のタグを見る

超マイペース更新ブログです。気軽にコメントしてね。


by missiontomars

『麻原・四女のインタビューを見て』の巻

 先日、麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚の四女が報道ステーションの
取材を受けていた。
 
地下鉄サリン事件当時、まだ5歳だった彼女は、事件後、親族を初め
とする教団関係者によって育てられたとの事だった。
 彼女は、彼等によって、出来る限りオウム関連の報道に触れる事が
ない様にして育てられたらしい。
 その為、驚くべき事に彼女は、中学生になってもなお、教団が起こした
一連の事件について、殆どしらないままだったと言う。
 教祖である父親の逮捕についても、宗教弾圧なのだと認識していた
らしい。と言うか、そう考えてしまうような育てられ方をしていた訳だ。
恐ろしい話である。

 彼女が、その認識に疑問を抱くようになるきっかけとなったのは、麻原
に対して、死刑判決が出た事。いくらなんでも、宗教弾圧で死刑が宣告
されるはずがない。そう感じて、隠れてこっそり、事件について、自分で
調べたのだと言う。

 真実を知った彼女は、事件に真摯に向き合う姿勢のない、親族を含む
教団関係者達に憤りを感じ、教団と距離を置くことを決意したとの事だっ
た。

 「やはり」と言うべきか、教団を離れて以降の彼女は、働き口を見つけ
ても、素性がバレると解雇されてしまうなど、かなり困窮した生活を送って
きたようだ。

 事件後、彼女の兄弟も、やはり同じ様な育てられ方をしており、その
中には、麻原が後継者に指名をした人物も含まれている。
 世間に反発の念を持ちかねない育てられ方をしたその兄弟が、教団
幹部によって、新たな教祖に祭り上げられた時、第二の事件が発生す
るのではないか。彼女は、その事を懸念していた。

 今回、取材をうける決断をしたのも、その事が大きかったらしい。
 
 教団の人間が、真摯な謝罪の念を持っていない中、せめて自分だけ
でも被害者に対して、謝罪の意を表していきたいとも語っていた。

 「なんて、立派なんだろうか。」僕は、素直にそう感じた。彼女には、本来
なんの責任も無い。
 ただ、たまたま麻原と言う、最悪の人間の娘として、生まれてきてしま
ったが為に、素性を隠して生きる事を余儀なくされ、バレれば、日常は
もろくも崩壊する。

 ある意味、彼女こそ、世間に対して屈折した感情を抱き、反発を感じたと
しても当然の人なのである。

 それなのに、こうして自らの社会的責任を感じて、人生を送っている。
なかなか出来るものではない。

 もし、自分が彼女の立場だったら、自分を見失う事なく、自暴自棄に
至る事なく、彼女の様な生き方が出来るだろうか?

その自信は僕にはない。

 VTR後、スタジオでコメンテーターの一色氏が、

責任を感じなければならない人が、それに無自覚で、本来何の責任もない
人がこうして、責任を感じている事に、なんとも言えない複雑な気持ちになる
と言った感じのコメントをされていた。

全く同感であると感じた。


 そして、思った。こうして、普通の家庭に生まれ、普通の両親に育ててもら
えた事だけでも、とても幸せで、感謝しなければならない事なのだと。


 
 
by missiontomars | 2010-04-02 03:00 | その他の話題